就業規則の構成内容
絶対的必要記載事項(労働基準法第89条):必ず記載しなければならない事項
- 労働時間関係
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1
始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、
休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
- 賃金関係
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2
賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
- 退職関係
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3
退職に関する事項(解雇の事由を含みます。)
※この他、各事業場内でルールを定めた場合には記載しなければならない相対的必要記載事項があります。
作 成 |
常時10人以上の従業員を使用する事業場は作成義務あり(企業単位ではなく事業場単位で作成義務) |
届 出 |
所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません |
周 知 |
届出た就業規則を従業員に周知する |
就業規則で定める基準に達しない労働条件は ⇒ 無効
(無効となった部分は、労働契約法第12条により、就業規則で定める基準に)
さらに労働協約がある場合には、就業規則より優先されます
★就業規則は、すべての従業員について必ずしも同一のものでなくてもOK
同じ事業場内でも、正社員とパートで、別々の就業規則を定めることができます!!
★意見書の代表者の選び方も重要!!

事業に大切なものは、昔から人・モノ・金といわれています。
今はこれに少なくとも「情報」がプラスされています。
この「人」は、企業の発展を左右する大きな要素です!だから労務管理が重要とされています。
優秀な人材を確保し定着させるには、今や人を取り巻く法律を熟知する必要があります。
そして企業にとって人件費は重要な問題です。
最低賃金を下回ったり、残業代の不払いが発生するなどは、当然コンプライアンス違反!
賃金の遅延や不払いの発生、従業員のモチベーションが下がるような賃金形態では、会社の発展は望めません。その時の思いつきで従業員ごとの給与を決めていませんか!?
一方で、高すぎる給与を設定すれば当然どこかで破たん ⇒ 適正な人件費を把握
会社が負担している「法定福利費」つまり健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料と労災保険料を最低限プラスして考えましょう!
この他、退職金の積み立て・上乗せ労災・財形の補助などいろいろな福利厚生費、人を雇うために支払っている経費を「人件費」の総枠として把握!
社会保険に関する問題は、ずっと課題を抱え続けているので、今後も様々な変更が発生するとは思いますが、せめて現状での社会保険料率(今後変更が決まっている分も含め)を押さえておきましょう!
健康保険料
政府管掌健康保険は、平成20年10月1日より全国健康保険協会(協会けんぽ)で運営。健康保険料率は、かつての全国一律ではなく、47都道府県ごとに医療費に応じて決定。原則加入者の医療費の上下に応じて毎年3月に見直されます(年齢構成や所得水準を都道府県間で相互に調整し、激変緩和措置として平成30年3月までは、保険料率が急激に上昇する都道府県がある場合には、相互間の保険料率の差を小さくした上で保険料率を設定)。ただし、継続して勤務しても75歳になると後期高齢者医療制度へ移り、会社負担は無くなります。
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料率 |
平成30年3月からの
健康保険料率は、
都道府県により
9.63%~10.61%の
範囲で適用
東京都の場合9.90%
⇒これを労使折半
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介護保険料
40歳から64歳までの方(第2号被保険者)は介護保険に必要な費用として、健康保険料に介護保険料をプラスして納めます(65歳以上は本人の年金より控除されるので、会社負担はなくなります)。介護保険料率は毎年3月に見直されます。
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平成30年3月からの
介護保険料率は1.57%
⇒これを労使折半
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厚生年金保険料
平成29年9月以降は、18.3%となるように、平成16年10月から毎年段階的に厚生年金保険料率が引き上げられてきましたが、今後は固定されます。
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平成29年9月以降の
厚生年金保険料率は18.3%
⇒これを労使折半
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子ども・子育て拠出金
児童手当の支給に必要な費用等の一部として子ども・子育て拠出金を、全額会社負担。 御社で厚生年金保険に加入している個々の被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に0.29%をかけて算出(30年4月改定)。
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被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に0.29%をかけて算出(30年4月改定) |
雇用保険料
雇用保険料率は29年度も引き下げられました。しかし給与計算をしていると、その場では本人負担分しか控除されませんから、会社の負担分の方がずっと多いことを見落としがちです(30年は同額)。
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会社負担分雇用保険料率
一般の事業 0.6%
農林水産・清酒製造業 0.7% 建設業 0.8%
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労災保険料 ※一般拠出金率(メリット適用なし)は一律0.002%
労災保険料は全額会社負担です。業種によって保険率が0.25%~8.8%の間で決められています。当然危険な職業の方が率は高いです。30年4月に業種によっては保険率が改定されています。
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業種によって0.25%~8.8%の間 |
【例えば】東京で運送業を営む会社が、月給25万円で41歳のドライバーさんを雇ったとします。
⇒会社が負担するのは、25万円+法定福利費42,460円⇒約29万2千円です!給与の約17%が上乗せされます。