労働基準監督署の指導・勧告を受けないようにする対策はもちろんのこと、最近は法令を遵守し、その結果社員満足度の向上や優秀な人材の確保・定着につなげていこうとする企業が増加してきております。また、各自治体への入札業者の労働条件審査が実施され始めるケースも増加。労務監査(労働条件審査)の必要性が高まっております。
今必要とされる労務監査
(労働条件審査)
企業のコンプライアンス(法令遵守)やCSR(企業の社会的責任)に対する認識の高まりから
労働関係法令が遵守できているかの「労働監査」の重要性が高まってきております。
- もともとは、株式の新規公開(IPO)に際して…
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株式の公開により不特定多数の投資家が株式を市場で売買し、事業の資金調達が可能。
結果として、企業の知名度や信用度が上がる。一方で社会的責任を負う!
IPOにあたり、監査法人等の監査などを受けなければなりません。その中には、 人事労務監査も含まれています。 - 今は、中小企業にも法令遵守は重要!!
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株式を公開している大企業のみではなく、中小企業にも法令遵守は重要!
労務監査でチェックされること
- 労働時間は守られているか?
- 36協定は届出されているか?
- 割増賃金は適正に払われているか?
- 就業規則は届出されているか?
- 労働者名簿などの法定帳簿は整備されているか?
- 雇入れ時の労働条件通知書は書面で交付されているか?
- 健康診断は実施されているか?
・・・など
◆法律で定められていることが守られていますか?
これらの項目は、監督署の調査で是正勧告を受ける主な内容でもあります。
最近は、公共事業(国だけではなく、市区町村)への入札時にも労働条件の審査制度が導入されています!!!
それだけではありません。
個別労働紛争制度(個々の労働者と事業主との紛争を解決する制度)をご存知ですか?
労働基準監督署などに設置されている「総合労働相談コーナー」への23年度の相談状況を見ても、従業員とのトラブル増加がはっきりと分かります!
総合労働相談110万9,454件→4年連続100万件突破!
民事上の個別労働紛争相談 25万6,343件→過去最高
(「解雇」「いじめ・嫌がらせ」「労働条件の引下げ」「勧奨退職」など、民事上の相談内容は多様化。)
相談のうち、法律違反の事案は、監督署や職安、雇用均等室などへ。
また、23年度に雇用均等室に寄せられた相談件数は10万8,575件!
自分の会社の労働条件は大丈夫か?
労働基準法などの法律はちゃんと守っているか?把握できていない企業は数多く存在しております。
法令遵守していると思い込んではいませんか?
例)社会保険未加入という分かりやすい項目でチェック
建設業 |
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国土交通省より「建設業法施行規則の一部を改正する省令」等が(PDF) 平成24年5月1日公布(7月1日施行、一部11月1日)。 下請企業を中心に社会保険未加入企業の取締り強化(公平な競争環境を築く)。 公共事業での入札に必要な経営事項審査でも大きく減点! 厚生労働省と連携 ⇒ 未加入事業所のデータは管轄年金事務所に ⇒強制的に社会保険加入手続きを取られる場合も! 雇用保険も未加入の場合 ⇒ 当然職安にもデータが いずれ社会保険未加入事業所は大手の現場で働けなくなるでしょう! |
運送業 |
運送業でも平成20年7月1日より社会保険に加入していないと、 行政処分(営業停止あり)を受けます。(PDF) トラック運送事業について特に強化されていますが、旅客運送事業者でも同様の監査指導を受け、 厚生労働省と連携して、年金事務所・職安に連絡されています! |
これから中小企業が生き残っていくためには
「労務監査」が重要。
仕事がなくなったら明日からどうしますか?
また従業員の雇用満足度は企業の成長の大きなカギになります。
如何に法令を遵守し、「業界での生き残りにつなげるか」「従業員の満足度を上げるか」。
労務監査は、企業のリスク回避にもつながります。
大がかりなことからではなく、まずは中小企業なりの整備をしましょう!
労務監査のスタートとして、 まずは労働条件審査を受けてみませんか!!
労務のプロである社会保険労務士にご相談ください!!!
ミニ労働条件審査を体験してみませんか?
ご希望の方には、監督署で使われている「労働条件自主点検表」を基にしたミニ労働条件審査を体験して頂けます(有料:1万円程度)。
ただし、当事務所にご来所頂けるか、当方より御社に伺って実施することが条件となります。所要時間は1時間程度です。 労働基準法を正しく理解していただくことが大きな目的ですが、ミニ版を体験することで、あらためて労働条件審査の必要性を感じて頂ければと思っております。