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手続き業務等特定社会保険労務士の一言 - コラム集 -

厚生年金基金制度の段階的な廃止?!!!

厚生労働省の社会保障審議会年金部会で、厚生年金基金制度に関する専門委員会
設置され、11月2日に第1回目の見直し案についての会議が開催されました。

基金は、厚生年金の上乗せに企業が加入している制度です。
基金自体は国の厚生年金制度の一部を代行しています。

しかし、その代行部分の積立不足問題で苦しい状態が続き、
リーマンショック等により深刻化し、さらに今年のAIJ投資顧問会社事件による
積立金の資金消失により、もう限界の状態になってきています。


加入側の視点で見ると、基金の制度は、社員にとっては
将来もらえる年金額に上乗せされ、うれしい事なのですが、
会社側は負担する保険料が多くなり、苦しい現状です。

私が社労士として独立した15年前でも、すでに基金を脱退したいという、
中小企業の社長様からのご相談は多くありました。
(基金を脱退するには、莫大な積立不足の金額を支払う必要があります)

ここにきて、ついには厚労省から「基金廃止」の案が
浮上してきました。

見直し(試案)資料のデータを参考にして下さい。

今後検討を重ねて、次期国会に提出予定とのことですが
「将来年金がもらえなくなるのでは?」という、
若い方の懸念がますます増大しそうです!

私も含めて、国民の将来は不穏な雲行きですね。
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高速ツアーバス等の過労運転防止新基準

関越道で起きた高速ツアーバスの大事故については、まだ皆様の記憶も新しいと思います。
バス運行会社の社長が、「法令違反はしていない」と記者の質問に答えていましたが、
実際には200以上の違反項目があり、営業許可の取消処分を受けたそうです。

この事故を受けて、7月20日に「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」が
一部改正され施行されました。 新基準のパンフレットはこちら

人の命をあずかるお仕事ですから、安全が第一です!

しかし、一方でこの安全規制強化で、全国の貸切バス会社のうち
100社以上が高速ツアーバス事業から撤退したそうです。

安さを追い求めるあまりに、安全が失われていた現状ですが、安全対策と引き換えに、
今後は料金の値上げを行う業者が増えそうです。

労働基準監督署でも、5月・6月に高速ツアーバスを運行する事業場339社を対象に
監督指導を実施したところ、なんと95.6%が何らかの違反をしていたことが
わかりました!!!  詳細はこちら


私も安全は重要だと思いますが、トラックでもバスでもあらゆる運送関係で
100%の法令遵守は実は難しいと思っています。
道路の混雑や予期せぬ事故など、なかなか運行指示通りにはいかないかも・・・。

もちろん過酷な労働条件はもっての他で、過労による事故などあってはならないと
思っています。

しかし、法令を遵守するためには、お金がかかります。
今回の国交省からの新基準である「交替運転手の配置基準」
守るためには、ドライバーの増員が必要です。

つまりは、料金に反映してくるという事ですから、利用する私たちも
安い料金だけを追い求めてはいけないという事ですね!
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24年度の労働基準行政の重点施策

ホームページをリニューアルしました 
―24年度の労働基準行政の重点施策―

今年に入って、仕事が忙しいと共に、ホームページのリニューアルを検討してきたこともあり、随分長い間にわたり更新できずにおりましたことを冒頭でお詫び致します。
お陰さまで、全面的なリニューアルをする事が出来ました。
今までと違い、特定社会保険労務士として私が得意とする分野に焦点を絞ったHPにする事が出来ました。皆様のお役に立てる部分があれば幸いです。
 さて24年度の労働基準行政の重点施策(厚生労働省発表)の中から、私見としてまとめたポイント部分をご紹介したいと思います。リスク回避対応策へのキーワードが満載です!

「法定労働条件の遵守徹底」のための厳正な対応
「労働条件の向上・労働環境の改善」に向けた施策強化
労働者の権利の迅速かつ適正な救済の観点からPDCAサイクルの実践
と、ここでも「労働条件」はキーワード
以下は詳細です。
(1)労働条件の確保・改善
①法定労働条件履行の確保
 労働基準法関係法令の遵守徹底、悪質事案への厳正対処、発生防止のための処分事案公表。
 特に、有期雇用契約労働者の更新基準、雇止めの予告について徹底指導。
 解雇や賃金不払い事案への早期解決のため、迅速な対応。
②長時間労働の抑制
 長時間労働→ 過重労働→ 健康障害 という悪循環防止のため、適正な割増賃金を指導。
 36協定の適正な締結のため、法令の周知。 名前だけの管理監督者を是正
③賃金不払い残業の防止
④労働契約に関するルールを労働者にも教育、情報提供の実施(権利・義務の十分な認知)
⑤特定な労働分野での労働条件確保対策
 ドライバー、ヘルパー、派遣労働者、パート、障害者など
⑥労災かくしの排除→ 「協会けんぽ」との連携(傷病手当金の医師の証明欄に注意)

(2)最低賃金制度の適切な運営
(3)適正な労働条件の整備
  働き方、有給休暇取得率、パワハラ予防、テレワークの推進など
(4)労働者の安全と健康確保対策
  労災防止対策、メンタルヘルス対策、定期健康診断有所見率の改善など
(5)労災補償対策
  精神障害事案(うつ病)、脳・心臓疾患事案への迅速・適正な処理
  *特にセクハラ被害による精神障害発病への対応

分かっているようで、実は分かっていない「法定労働条件」。監督署の調査で是正勧告を受けて、初めて正しい割増賃金の計算方法を知る社長さんが何と多いことでしょう!
今年も労働条件は大きなキーワードになります。是非御社のルールを見直す「労働条件審査」を受けてみて下さい。
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